
住民税はいつから引かれる?新卒は2年目の6月から
会社員の住民税は、前年1年間の所得に対してかかり、6月から翌年5月までの12回に分けて毎月の給与から引かれます。そのため、2026年4月に入社した新卒の人は、2026年の所得にかかる住民税が2027年6月の給与から引かれ始めます。転職や退職のときは、残りの住民税を「転職先で続けて引く」「最後の給与でまとめて引く」「自分で納める」のどれかで払います。
このページの要点
- 個人住民税は1月1日に住んでいる市区町村が、前年1年間の所得をもとに計算します。
- 会社員の住民税は、6月から翌年5月までの12回に分けて毎月の給与から差し引かれます(特別徴収)。
- 2026年4月に入社した新卒の場合、2026年の所得にかかる住民税は2027年6月の給与から引かれ始めます。
- 1月1日から4月30日までに退職した人に未徴収の住民税があると、会社が最後の給与や退職金から残りを一括で徴収します。
住民税は「前年の所得」で決まり、6月に切り替わる
個人住民税(都道府県民税と市区町村民税)は、1月1日に住所がある市区町村が課税します。所得割は前年の所得金額に応じて計算され、これに定額の均等割が加わります。東京都の場合、所得割の税率は都民税4%・区市町村民税6%の合計10%、均等割は都民税1,000円・区市町村民税3,000円で、さらに森林環境税1,000円が一緒に課税されます。
納め方は2通りあります。
| 納め方 | 対象 | 時期 |
|---|---|---|
| 特別徴収 | 給与をもらう会社員など | 6月から翌年5月までの毎月の給与から差し引き |
| 普通徴収 | 自営業者、退職した人など | 市区町村から届く納税通知書で年4回に分けて納付 |
特別徴収では、会社が市区町村から届いた税額を12か月に割り振って給与から差し引き、本人に代わって納めます。新しい年度の税額は6月から引かれるので、毎年6月に住民税の額が変わります。前年に昇給した人は6月から引かれる額が増え、前年の収入が減った人は少なくなります。
新卒の住民税は2年目の6月から
前年の所得で計算するしくみのため、新卒の住民税は次の流れになります(2026年4月入社の場合)。
| 時期 | 給与から引かれる住民税 |
|---|---|
| 2026年4月〜2027年5月 | 原則なし(前年の2025年は学生で所得が少ないため) |
| 2027年6月〜2028年5月 | 2026年4〜12月の給与にかかる住民税(令和9年度分) |
| 2028年6月〜 | 2027年1〜12月の給与にかかる住民税(令和10年度分) |
社会人2年目の6月に手取りが減ったように感じるのはこのためです。2年目の6月からは、1年目の所得にかかる住民税が引かれ始めます。
ただし、学生時代のアルバイト収入が多く、前年の所得が市区町村の非課税の基準を超えていた人は、1年目から住民税がかかります。東京23区では、同一生計配偶者や扶養親族がいない人は前年の合計所得金額が45万円以下なら非課税です。総務省の資料では、単身者の非課税ラインは給与収入で110万円(基本額45万円+給与所得控除65万円)とされています。1年目に課税される場合の納め方は、住んでいる市区町村から届く通知で確認してください。
転職するときの住民税は3つの払い方がある
退職すると、それまでの会社は特別徴収を続けられません。残っている住民税(未徴収税額)は、次のどれかで払います。
- 転職先で特別徴収を続ける。前の会社と転職先で手続きをすれば、転職先の給与から残りが引かれます。
- 一括徴収。退職する会社が、最後の給与や退職手当から残りの税額をまとめて差し引きます。
- 普通徴収に切り替える。市区町村から届く納付書で、自分で納めます。
さいたま市の案内では、再就職先で引き続き特別徴収ができる場合や、退職時に会社が残りを一括徴収した場合を除き、未徴収分は普通徴収で納めることになるとされています。
退職する月で扱いが変わる
| 退職した時期 | 残りの住民税の扱い |
|---|---|
| 1月1日〜4月30日 | 会社が最後の給与や退職手当から一括徴収する(本人の申し出は不要) |
| 6月1日〜12月31日 | 普通徴収に切り替えるか、本人が申し出れば一括徴収 |
1月から4月に退職した場合の一括徴収は、会社に義務付けられています。6月から12月に退職した場合は、本人の希望で一括徴収にもできます。普通徴収に切り替えると、後日まとめた納付書が届くため、退職後の資金計画に入れておくと安心です。
退職・転職前に確かめておきたいこと
転職先が決まっている場合は、退職する会社の担当者に「転職先で住民税の特別徴収を続けたい」と早めに伝えます。会社は「給与所得者異動届出書」を市区町村に出します。自分で用意する書類があるかどうかも、あわせて確認しておきます。
退職から再就職まで期間が空く場合、収入がない月にも前年の所得にかかる住民税の支払いが続きます。退職した年の翌年6月からも、退職した年の所得にかかる住民税が届きます。転職直後の手取りを考えるときは、新しい会社の給与だけでなく、前の会社でもらった給与にかかる住民税が引かれることも含めて見積もるのが大切です。
2027年6月からの住民税は給与所得控除が変わる
令和8年度税制改正で、住民税の給与所得控除の最低保障額が65万円から74万円に引き上げられました。総務省によると、令和9年度分の個人住民税から適用され、引き上げ額9万円のうち5万円は2年間の時限措置です。令和9年度分は2026年の所得にかかり、2027年6月から引かれる住民税です。
この改正で、単身者の住民税の非課税ラインは給与収入110万円から119万円になると総務省は示しています(基本額45万円の場合。非課税の基準額は市区町村ごとに異なります)。給与収入が少ない人ほど影響が大きく、年収が高い人の住民税はこの改正ではほとんど変わりません。
自分の年収でどのくらい住民税がかかるかは、手取り計算機で所得税・社会保険料と合わせて確認できます。年収ごとの目安は年収別の手取り一覧にまとめています。
6月の給与明細の住民税の欄を5月と見比べると、新しい年度の住民税がいくら増えたか(減ったか)がすぐにわかります。前年に収入が大きく変わった人ほど、6月の差が大きくなります。
非課税の基準額や手続きの細かな扱いは市区町村によって違います。退職・転職のときの具体的な手続きは、勤務先の担当者や住んでいる市区町村の住民税の窓口で確認してください。
あわせて使えるページ
参考にした資料
- 東京都主税局 個人住民税
- さいたま市 よくある質問(退職したときの住民税)
- 横浜市 よくある質問(特別徴収されている従業員が退職した場合)
- 総務省 地方税法等の一部を改正する法律の概要(令和8年度)
- 総務省 令和8年度税制改正の大綱の概要
- 横浜市 個人住民税の税制改正(令和8年度実施分)
- 名古屋市 税制改正の情報
内容は2026年11月7日時点で上記の資料をもとに確認しています。制度は変わることがあるため、手続きの前に公式の情報を確認してください。
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よくある質問
新卒1年目の給与から住民税が引かれないのはなぜですか
住民税は前年の所得に対してかかるためです。学生だった前年の所得が非課税の範囲なら、1年目は住民税がかかりません。
学生時代のアルバイト収入があると1年目から住民税がかかりますか
前年の所得が住んでいる市区町村の非課税の基準を超えていれば、1年目でも課税されます。東京23区で扶養親族がいない人は、前年の合計所得金額45万円以下が非課税の基準です。
6月に住民税の額が変わるのはなぜですか
住民税の年度が6月から切り替わり、前年の所得で計算し直した新しい年度の税額が引かれ始めるからです。
転職するとき住民税はどうなりますか
転職先で特別徴収を続ける、退職する会社で残りを一括徴収する、自分で納める普通徴収に切り替える、のいずれかになります。1月から4月に退職した場合は原則として一括徴収です。
2026年の年収の壁の改正は住民税にも関係しますか
住民税では給与所得控除の最低保障額が65万円から74万円に上がり、令和9年度分(2027年6月から引かれる分)から適用されます。
このページを引用・参照するとき
出典の表記例:「住民税はいつから引かれる?新卒は2年目の6月から|転職・退職時の扱い」手取りナビ(https://tedori-nabi.com/column/juminzei-itsukara/)2026-11-07更新
出典:財務省 令和8年度税制改正大綱、国税庁、協会けんぽ 令和8年度保険料率、厚生労働省 雇用保険料率をもとに当サイトで計算。